第5回ミジンコ合宿:サンプル2・動物プランクトン

ここには動物プランクトンを集めました。

【ビワオオミジンコ・メス(Daphnia pulicaria)】

まずはこれからご覧いただきましょう。琵琶湖のミジンコを代表するビワオオミジンコ。「やさしい日本の淡水プランクトン」の表紙を飾っています。ちなみにこの写真は一瀬さんご自身の撮影とのこと。
体長は1.4~4.2mmで大型種とされています。(ミジンコ図鑑・共立出版より)
通常は琵琶湖の底に多く生息するそうですが、今回は研究用に培養しているものを見せていただきました。

【ビワオオミジンコ・オス】

こちらはオスです。どの種もオスはメスと比べて口元(吻のあたり)の形がはっきり違います。第一触角が長く慣れてくるとすぐに分かるようになります。
体長も1.0~1.8mmとメスに比べると小型です。
第一触角の構造が分かりやすいので明視野にしてみました。

【ビワオオミジンコの休眠卵】

オスがいれば見つかるであろう休眠卵です。鞘に2つ入っているところはDaphnia pulexと似た印象です。

【カブトミジンコ(Daphnia galeata)&ゾウミジンコ(Bosminidae)】

琵琶湖からミジンコネット2で採集したものです。
右のカブトミジンコはその名の通り頭がカブトのように尖っています。これは捕食者から身を守るために少しでも体を大きくするための変化。培地で数世代継代すると丸くなってしまいます。
左はゾウミジンコの仲間。吻と長い第一触角がゾウの鼻を思わせます。

【タマミジンコ】

これは琵琶湖ではなく近くの田んぼで採集したものです。このタマミジンコは卵や幼体を抱えていませんが、たくさん入ったものは背中がぷっくり膨らみます。

【ハネウデワムシ】

ドロワムシの仲間です。箱のような体から3本が1組になった付着肢が4ヶ所についています。

【番外編:ホウネンエビ】

田んぼの採集がてら見たもの。田んぼに水を引き込んでしばらくすると現れる○センチほどの甲殻類です。これが多く見られるほど豊作になるということから名付けられたということです。農薬を使うと激減するとのことなのでここは無農薬の田んぼなのでしょうか。
私は東京都調布市の田んぼで毎年見ているのですが、そこでは探して見つけるくらい。ところがこちらは大集団があちこちに見られました。