顕微鏡観察シリーズ|ミドリムシ(ユーグレナ:Euglena)

(2015.3.17)

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理科の教科書にプランクトンの代表として載っている「ミドリムシ」。「移動する動物の性質」と「葉緑体をもって光合成する植物の性質」を併せもつプランクトンと言われます。

【ミドリムシの鞭毛】

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ミドリムシはミドリムシは鞭毛と呼ばれる鞭のような構造を動かして泳ぎ回ります。(鞭毛は2本あるそうですが光学顕微鏡では1本としてしか見たことはありません。ネットでもちょっと検索してみましたが画像は見つかりませんでした)
鞭毛は動きがとても速く、また立体的に動かすのでフォーカスを合わせるのは難しい作業になります。

【ミドリムシの葉緑体と眼点】

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ミドリムシのからだの中には葉緑体の緑の粒が詰まって光合成をしています。赤い点は「眼点」と呼ばれる光を感じる器官です。葉緑体があるので光を感じる器官があるというのも納得です。

【泳ぐのが速いミドリムシ・その本当の形】

ミドリムシの形はよく「紡錘形」と言われ、教科書などの写真は上の2、3枚目のような瓢箪型のものが多く見られますが、実際に元気に泳いでいる時はほぼ棒状です。
ミドリムシは泳ぐのが速く、一個体を拡大して撮影しようとしてもなかなか追いかけきれません。(wikipediaには「ゆっくり」と書かれていますけどね)
ミドリムシの構造を詳しく観察するにはどうやって動きを抑えるか? そこで考えられているのがミドリムシを粘液に入れる方法です。こうすれば生きた状態で鞭毛が回転している様子、葉緑体や眼点などの構造を見ることができます。ただし、どこまでがミドリムシ本来の動きと言えるかはまた別の話しになりますが。

最近では「ユーグレナ」が健康食品として売られています。理屈では分かっていても何となくお腹の中で泳ぎ回っていそうで、ちょっと飲むのはためらいます…。

ミドリムシの動画(ただいま編集中)