(2014.5.30)
【生きものの姿を記録するために】
顕微鏡の世界を記録し伝えていくために必要な機材。それがカメラです。
現在では動画撮影機能を兼ね備えた多くの一眼レフカメラがあり、弊社でもそれを利用しています。
顕微鏡メーカーも専用のカメラを販売してはいますが、大半はレーザー共焦点顕微鏡における基礎データ取得から処理までを想定したもの。
光学観察して静止画、動画を記録するには極端にコストが掛かる上、目的によってはかえって性能が劣るということにもなります。
注:ここでは顕微鏡メーカーとしてZ、L、N、Oの4社のみを対象としています。
【一眼レフカメラの選択基準】
個人的にはフィルムカメラの時代から(ArriFlexⅡ型など)撮影し、独立してからもアナログビデオカメラで撮影してきましたが、EOS5Dmark2が登場してからは一眼レフカメラが基本です。
その後いくつかのカメラを試して現在に至っているのですが、選択のポイントは「画像解像度」「感度」「使い勝手」「耐久性」「コスト」などなど。
そして、もう一つ付け加えるとしたら「シャッター」でしょうか。
高性能と言われているカメラを試したところ「ガシャッ」という大きな音。シャッターの振動で画像はブレブレということもありました。
【顕微鏡とカメラの接続】
撮影するには顕微鏡にカメラを固定しなければなりません。
(厳密に言えば位置関係を固定すれば良く、直接つなぐ必要はありません)
どのようなアダプタを使うかで同じ顕微鏡とカメラを使っても当然、画質に差が出ます。
市販品(左)もあるのですが…弊社では専用アダプタを工作して使用しています(右)。
余計な中間レンズがないため純粋に顕微鏡の光学系だけを活かすことができます。
注:このアダプタは低倍レンズでは集光レンズを外さないと周囲がケラれることがあります。
【高画質記録の意味と近未来】
一眼レフタイプで4K動画が撮影できる機種も出始めたので使ってみました。
〈YouTube:LumixGH4でミジンコを撮影~編集〉
これまでは「撮影した動画を見るより、実際に顕微鏡を覗いた方が遥かに美しい」と主張してきましたが、これだけの解像度があると場合によってはモニターを見た方が良いという状況があるかもしれません。
もちろん実際に顕微鏡を覗くことには代えられないものもあるのですが。
今後、さらに技術が進むとまた別の世界が拓けるはずです。