(2015.3.31改訂)
【微速度撮影とは】
普通に見ていても変化が見られないけれど確実に形や位置が変わっているものがあります。「花が咲く」「星の動き」などです。時間を早送りした映像を見るとその変化に実感が湧いてきます。
このような映像作りには大きく2つの方法があります。1つは長時間撮影して編集で早送りする方法です。もう1つは一定間隔で静止画を記録し動画に変換する方法で「微速度撮影(TimeLapse)」と呼ばれています。これは私たちの見ている一般的な動画は1秒間に多くの静止画(日本等では30フレーム、ヨーロッパ等では25フレーム)を並べることにより目の錯覚でモノが動いていると感じさせているからです。
【微速度撮影のメリット】
微速度撮影のメリットは1枚1枚の解像度を高くできることです。例えば1600万画素クラスのカメラで撮影すると4608×2592の画素が得られるので、1920×1080のハイビジョン動画に変換する際、2倍までのトリミングなどでの画質劣化がなく表現の幅も広がります。
ただし1枚の画質を上げればそれだけファイルサイズも大きくなりますので、ストックする時の容量や動画変換処理にかかる時間を考えておく必要があります。
【微速度撮影装置にはライトのオンオフ機能を搭載】
かつての培養細胞の微速度撮影経験を前提に機材を考えています。培養細胞は目に見えて変化するものではないので長時間の撮影が必要になりますが、この間常にランプを点けていると悪影響を及ぼすことがあります。そこで撮影直前にランプを点けてシャッターを切り、終わったらランプを消す機能が重要になります。
グレンデルの微速度撮影装置はこの機能を搭載しPCから制御していますが現在の対応機種はLumixとEOSです。他の機種でも対応できるものがありますが改造が必要になります。
【微速度撮影に使うカメラ】
現時点ではLumixGH4を使っていますが、デジタルカメラの進歩は目覚ましいものがあります。画質、感度、解像度、耐久性などに優れた新しい機種が出た時点で変えていくことになるでしょう。
【他のカメラは使えませんか?】
最近ではこの機能を搭載した一眼レフカメラも増えてきました。私自身で確認した訳ではありませんがいくつかの問題点を聞いています。
まずメカニカルシャッター搭載機はあまりに危険で使えません。
1秒の映像記録には30回枚の静止画が必要なので、30秒分の映像を得るには約1000回シャッターを切ることになります、
通常一般向け一眼レフカメラのシャッターで目安は3万回、プロ機でも10万回など。一般向けでは30カットでシャッター交換しなければない計算になります。
普通に考えれば1日に100枚写真を撮って300日分。その頃には性能の良い新しいカメラが出ていて買い替えるのでしょうが…。
1カットあたりのコストはもちろん、重要な撮影の途中でカメラが壊れることを考えるとプロの選択肢ではないと考えています。(と言いながら昔EOSで試した動画をYouTubeにアップしているのですが)
またインターバル設定がおかしな機種もあるそうです。例えば6秒インターバルに設定すれば1分間に10枚の静止画を記録できるはずですが、実際には枚数が足りなかったそうです。この機種ではシャッターを切って記録するまでの時間が考慮されず、ファイルの保存が終わった時点で再スタート、そこから6秒経って次の撮影に入る仕様になっていたそうです。