(2015.11.15)
これまで試行錯誤を重ねてきたオリジナル顕微鏡ですがこのたび四号機を入手して一段落させました。ベースはオリンパス社のHS型で外見は弐号機とほぼ同じなのですが「対物レンズ3本」「微動装置付き」「XYステージが取り付けられる一回り大きなステージ」といったメリットがあります。
日常観察に利用するのはもちろんケースに入れれば持ち歩きも可。先日は小学生対象の顕微鏡観察イベントにもリュックに入れて持ってでかけました。
【画質向上のためコンデンサーを取り外し】
「コンデンサーがなければ顕微鏡じゃない!」とも言われるほど本来コンデンサーは重要な顕微鏡パーツです。とはいえ形ばかりのレンズではコンデンサーと呼ぶに値しません。この顕微鏡を入手した状態で珪藻プレパラートを見て唖然。像がポヤポヤです。真っ先に作業したのは「拡散板への交換」で格段に見えが良くなりました。
【接眼レンズは是非とも交換】
2番目の作業は接眼レンズの交換。元のレンズも画質はそこそこなのですが写真のように視野が狭いので「CFWN D10x/20」に差し替えました。(倍率も違って分かりにくい比較ですが…)
手持ちの「CFWN 10x/20」「CFWN D10x/20」「WF10x」からこれを選んだ理由は画質ではなく大きさ。他の2種は付けた状態で専用ケースに入らないのです。
【対物レンズも交換】
付属の対物レンズは4、10、40倍の3本でしたが1本は性能が悪く、以前使っていたオプチフォト(ニコン)のプランシリーズに交換。
2(Apo)、4、10(DIC)、20、40倍から観察対象に合わせて低倍、中倍、高倍用に3本を選択します。
【ステージもあると便利】
知らずに入手したのですが、この顕微鏡のステージにはスライドガラスを押さえるためのピンが付いていたのですが、簡易メカニカルステージを固定するための穴がありネジが切ってあったので早速取り付けました。
弐号機のステージでは自分で穴をあけネジを切ったのですが穴の位置合わせなどが面倒だったので助かります。
【照明はLEDに】
この顕微鏡もミラー仕様でしたが弐号機用に工作済みのLEDに付け替えました。
当初、動画撮影を考慮してかなり明るいLEDを選んだのですが、観察には明る過ぎ。遮光用のフィルムケース直径がちょうど30ミリ径のフィルターに合っていたのでND4を付けています。
暗いLEDに変えないでおくメリットは以下に。
【偏光仕様もOK】
お遊び用に偏光仕様の工作もしました。これは結晶観察を想定しています。この顕微鏡のステージ下にはフィルムキャップがちょうどはまるので、明視野用、偏光用が簡単に交換できます。もう1枚の偏光板は接眼レンズ下にはまるようにゴム板を切って貼付けました。ただゴムが露骨に視野に入ってしまうのでこれも改良が必要です。
ついでに暗視野も作ってみたのですがさすがに無理があって画質が良くありません、要改良です。
【まとめ】
この組み立て顕微鏡にはまだ名前がありません。有限光学系の統一規格を利用していろいろなパーツが自由に組み合わせせていることから、羊のからだの顕微鏡ボディにライオン頭の対物レンズ、蛇の尻尾の接眼レンズという感じになっているので「キメラスコープ」と呼ぶのはどうかなと考えたりもするのですがなかなかしっくりくる名前が思い浮かびません。ただいま名称募集中です。
繰り返しになりますがこの顕微鏡の発想の本家はミクロワールドサービス(MWS)の奥修さんです。私の顕微鏡は「手間隙掛けず、金かけず」でほんの入り口をパクっただけですが、MWSではさらにきめ細かいパーツ選択や調整でよりハイレベルな顕微鏡を追求しています。興味のある方は是非そちらをご覧いただき、よりクオリティの高い顕微鏡観察を目指していただければと思います。
では一人でも多くの方にミクロの世界を楽しんでいただくことを願って!