これが私の顕微鏡:SWIFT・S306S-20-2L

自宅の部屋は狭いのですが顕微鏡も置いてあります。S型+アポセットなので光学性能もそこそこです。基本的に撮影は仕事場ですが自宅近くで見つけたものが移動に耐えられない時には急ぎの対応が必要です。そうなればプレパラート作りに必要なのが実体顕微鏡。ずっとライカ(Leica)の中古品を探していたのですが予算に合うものが見つからず…そんな時に見せてもらった製品がそこそこ使えたので類似品を買ってみました。お断りしておきますが四半世紀以上LeicaMZシリーズを使い込んできた人間のコメントです。(2024.6.30)

【SWIFTの評判】

信頼できる顕微鏡スペシャリストから「初心者が新品の顕微鏡を買うならSWIFTが無難」とは聞いていましたがその本人も所有しておらず自分の目で確かめることができずにいました。
そんなある日仕事で訪れた会社にSWIFTの実体顕微鏡がありました。屋外への持ち出し用として購入したとのことで小型軽量、20、40倍の2段階かつLED内蔵でお値段は約2万円だったとのこと。覗いた感じもまずまずです。

【モノがつかめるかが大事】

実体顕微鏡をレンズ性能だけで語るのはただ見るだけの人。重要なのは操作性で見ているものをピンセットでつかもうとした時に先端がスッと目的位置にたどり着くかが最大の問題です。ところがこれもまずまずです。

【3択でえらんだのはS306S-20-2L】

アマゾンでSWIFTの実体顕微鏡を探すと3機種がありました。一番お安いのがS304-LED(2.38kg)の約2万円で次がS306S-20-2L(2.82kg)の約3万円、S7-TP520-EA10-56(5.92kg)は約5万5千円です。倍率はそれぞれ「20x、40×」「20x、40×、80X(要接眼交換)」「7X-45X」で透過光が使えるのはS306のみ(?)。
S7のズーム&カメラ光路も魅力的でしたが例えCマウントが使えてもこの作りではカメラの重量に耐えられるかどうか。愛用しているTG-6が使えれば十分です。そこで重量、透過光の有無、お値段からS306を選択しました。
※某社はS304かと思っていましたが実は透過光も使えるタイプでS306のようです。お値段は記憶違いかタイムセールや過去の価格などかの可能性大です。

【実際に使ってみて】

このお値段なので無茶な評価はしたしません。まず光学性能については文句は言えないレベルと思います。小型軽量はいいことで室内でも移動させることが苦になりません。お子さんでも出し入れできるでしょう。ちょっとしたハイキングにも連れて歩けるレベルと思います。
光学性能も先に見たものと同じでしょうか。安い製品ほど本質的なところのバリエーションはないものです。20倍の接眼レンズもついているので観察対象によっては40、80倍で使う方がいいかもしれません。自宅のライカはめったに接眼レンズを外さないのですが(そう言いながらも作業内容で高倍率も買い足してあります)、こちらはメモ代わりの撮影でそこそこ外すかもしれません。
粗動装置については言わないのがお約束というやつでしょうか。逆に粗動がこれなら光学もそれでOKです。2〜3年保ってくれるようなら壊れた時に買い直すとしましょう。

【本物との決定的な違い:小型の限界】

1つ言えるのは軽量化のため小型化しているので接眼レンズとステージが近くなります。これは事務仕事で使うデスクにおけば前傾姿勢を強いられます。逆に台に載せて目の位置に合わせると作業する手を持ち上げなければなりません。私はあくまでイレギュラーな自宅用で短時間作業を想定していますが長時間使う気がある方はそれなりのお金を出してきちんとしたサイズのものを買った方が良いでしょう。

【今後の課題】

まず作りたいのはTG-6アダプタです。接眼レンズ径はRMS顕微鏡とは違う一般的な実体顕微鏡同様の30mmなので適当なレンズを探して工作するつもりです。

【単3電池で光るLED】

LEDは単三電池3本で点灯します。屋外への持ち出しでなく室内でも電源確保の必要がなくなりケーブルも邪魔になりません。私は常に単3、単4電池を充電してあるので電池仕様で運用することにします。

【最後にメーカーさんに一言】

さすがにこのクリップは短かすぎでは?
モノを押さえたいのかステージ板を押さえたいのかわかりません。

これが私の顕微鏡