ピーク・ワイドスタンドマイクロスコープをプチ改造


私がフィールドで使う顕微鏡の中でトータルバランスが良いのはDSM-1なのですが目的次第では他の候補もいくつかあります。その1つがピークのワイドスタンドマイクロスコープ(WSMS)です。ちょっとしたイベントではDSMを初心者さんに持たせるのも心配。そんな時でもWSMSならまあいいかなと。
あれこれ使っていると気づくところもあり。私の使い方を紹介してみます。(2022.9.13〜2023.5.15)

【WIDE or NOT に注意!】

私のWSMSを見た方がこれはいいとヤフオクで落札したところ違うものが届いたそうです。実はピークにはワイドスタンドマイクロスコープとスタンドマイクロスコープ(SMS)と写真だけでは見分けにくいものが存在します。
WSMS(左)は大型で公称値が172mm×63mmφ、SMS(右)は122mm×42mmφです。この2つは大きさ以上に違うところがあるのです。

【WSMSをカスタマイズ:レンズ交換で性能アップ】

WSMSは対物、接眼レンズがRMSに準じているので他社のレンズとの交換も可能です。そこでWSMSにNikonS型などに使われているものの中から汚しても壊しても惜しくないものに付け替えました。これで光学性能が格段にアップします! 厳密に言えば鏡筒長は正規の長さに足りないのですがオリジナルレンズと比べれば雲泥の差です。
フィールドに持ち出す時は対物レンズ交換=ネジを回す手間がかかるので4倍か10倍に決めうちして持ち出し、倍率調整は普段行わない接眼レンズ交換で対応=5、15倍を持っていきます。
注)解像力の高いレンズは被写界深度が浅くなるのでフラットな対象なら即効果が出ますが厚みのあるものにはマイナスの可能性もあることお忘れなく。対応策はこの後で。

【真似はしないでくださいね!:工作精度が素晴らしい!】

実はWSMSの工作精度はかなり高いと思われます。何と対物レンズをつけていると逆さまにしても接眼レンズが抜け落ちてきません! これってフィールドで使うにはありがたいことです。
ただし私の手持ちのレンズとの相性がたまたま良かっただけかもしれません。皆さんがレンズを落として壊しても何の責任も持ちませんので無理に試さぬようにしてください。

【照明装置:百均LED&コンデンサー】

レンズ交換で解像力は上がりましたがこのままでは被写界深度が浅くなってしまいます。そこで追加工作したのがコンデンサー付きフィールドライトです。これもNikonG型のコンデンサーを活用し百均の調光機能付きLEDライトと組み合わせました。
もちろん片手で持つことを前提にしてあります。
これでミジンコのように厚みのある被写体の全体像もバッチリ捉えることができるようになりました。複眼にフォーカスを合わせても殻の模様まで見ることができます。

【ステージはまだ改良の余地ありか…】

これに使うステージは塩ビのチューブとアクリル板をカットして貼りつけて作りました。当初は3.5cmシャーレを使うことを前提にしていたのですが改良型ではスライドガラスを使えるようにもしてみました。
現在では滑り止め機能も着いているなど微妙に進化させています。

【TG-6で飛ばしてiPadで受ける】

これに合わせて使うのはオリンパスのTG-6です。簡単に写真も動画も撮影することができます。(アダプタについてはこちらをご覧ください)
TG-6はWiFiでタブレットにつながるので本体より大きな液晶で見ることができるようになります。

【落射装置を工作】

以前からのお題だった反射光での観察。純正のペンライトは携帯性、操作性、明るさと問題ありで使う気にならなかったのですが…。
まずペンライトの固定には骨っ子を利用。ベースをカットしてホースバンドで留めました。これで輸送時の取り外しも簡単です。
LEDについてはボタン電池が嫌いなので(それなら百均にあり)単4仕様のものを探していたら骨っ子のクリップに挟まるものを発見〜採用となりました。
もう少しオシャレに仕上げたいのすが機能面ではとりあえず問題なし。近々2号機も必要なのでその時に改良案を反映させます。