顕微鏡を使うときに欠かせないものの1つが光です。本当は光の当て方次第で見えるはずのもが見えなかったりもしますが、初級編ではまず暗くて見えない場合のお話しをしましょう。(2019.8.15〜2020.5.14改)
【ミラー】
初心者向けの顕微鏡にはたいていミラーがついていて、ここに光をあててプレパラートに向けて照明します。どんな本にも書いてありますが太陽の光を直接当てそれを覗いてはいけません。下手すれば失明します=目が見えなくなります。
学校ではたいてい蛍光灯を使っています。自宅で使うなら読書用のライトや懐中電灯などで試してください。暗いライトから少しずつ明るくしていくのが基本です。
顕微鏡では照明する角度が重要になるのでミラーの角度を変えてみることはとても大切な経験になりますが、毎回違うライトを使ったり向きが変わると同じものでも違って見えてしまいます。これがいいと決まったら同じ条件で見続けることも大切です。
【オリジナルランプ】
顕微鏡によっていろいろな照明があります。NikonGHには専用のランプがあって色もきちんとしています。ただ電球が一度切れると結構いいお値段になり(数千円?)古い機械であるため入手も困難です。
【ミラーは外して顕微鏡の会御用達・ショートランチャーに交換】
そこで明るさと価格からオススメするのが百均で売っているショートランチャーです。LEDなので結構明るく電池もそこそこもちます。特質すべきはその形状で顕微鏡の下に収まるほど小さくペットボトルの蓋に入るのがポイントです。NikonGHのボディにはランプをつけるための5cmの溝が切ってあるのでここにホームセンターで買ってきたゴム板を置いてペットボトルのキャップを両面テープで固定してショートランチャーを差し込みます。顕微鏡の機種によってはL字金具を利用します。
注1:もし明るすぎて眩しいときはティッシュペーパーなどを置いて調節しましょう。
注2:色温度の問題はあって白と言ってもやや青みがかっています。
【ショートランチャー使用上の注意点】
ショートランチャーをそのまま使うとLEDの電球が粒のように見えてしまいます。そこで拡散版を使います。NikonGHではコンデンサーの下にフィルターが入るようになっているので、ここに合うように切ったアクリルやビニールの板を入れることで面として照明できるように改良します。私はフィルターを直接手で触らないように写真のフィルムケースのキャップに穴をあけて貼りつけています。こうすることで暗視野、偏光観察への切り替えも楽になります。(詳しくは中級編で)
ただしショートランチャーの光はやや青みがかっています。厳密な色を求める時は色についても調べて対応することが必要になります。
【私はパワーLEDを自作しています】
先の照明では倍率を上げたり、別に説明する暗視野や偏光での観察には光量が不十分になることがあります。そこで私はパワーLEDを使っています。低倍率の観察など条件によっては明るすぎることがあるので調整装置も作りました。
ちょっと難しい話しになるので、詳しくは中級編で紹介します。