これで使える顕微鏡・上級編(04):無限遠光学系について

価格の面から有限光学系の顕微鏡について話しを進めてきましたが、現在の最高級機はほとんどが無限光学系なのでこれについてちょっとだけ書いておきます。(2020.5.5~)

【有限光学系では何ができない? フィルターの挿入】

有限光学系と無限遠光学系の違いについてはオリンパスのページに分かりやすい図もあるのでそちらをご覧ください。
ポイントは無限遠光学系では対物レンズを通った光が平行光線になることです。これは鏡筒長を稼ぐためで蛍光物質を使う場合などではフィルターを挿入しやすくすることができます。

【買う時はセットが無難】

無限遠光学系になったことでメーカー同士の互換性はより失われました。ごくごく一部を除けば対物レンズのネジ径も違うので、買う時は目的にあうものがそろったものを買うといいでしょう。

【プランクトン観察なら有限光学系でいいのでは?】

逆に言うと通常の明視野、暗視野などでプランクトンを観察したいのであれば必ずしも無限遠光学系は必要ないでしょう。
確かに私はCaelZeissのAxioPlan、AxioVertという無限遠光学系の顕微鏡も使っていますが、日常的にはNikonL型を使う頻度が高くなっています。小型で邪魔にならないのに結構よく見えます。また偏斜照明が簡単にできるのもメリットの1つです。もちろんそれなりに追加整備もしていますが。

前のページ上級編のもくじ