これで写せる顕微鏡(09):スマホで撮影

別にわざわざ買わなくても誰もがもっているカメラと言えばスマホです。これがなかなかの高画質なので活かせればかなり役に立つのですが…。(2024.8.18~)

【スマホではコリメート・イベント会場ではペットボトルのフタ】

イベント会場などで顕微鏡を覗いた方から写真を撮っていいかとよく聞かれます。この時には接眼レンズにスマホを向けるのですが直接押し付けるのではなく少し離した方がベターです。顕微鏡は人が覗いた目の位置に理想の像がくることを前提として作られているからです。
だからと言って手でその位置をキープするのは難しいもの。そんな時に役立つのがペットボトルのフタ。ここに穴を開けておき接眼レンズとスマホの間に入れて押し付けるようにすると安定させやすくなります。

【画質について】

本気で使ったことがないので印象レベルとさせていただきますが…。
4Kの解像度をはじめ年々画質が上がっているという印象はあります。一方でテレビCMでも極端な加工が施されることが宣言されておりデータとしての信頼性を疑う声もよく聞かれます。その意味でスマホで撮影したものは断りが必要になるのでしょうか。
ただし一眼レフに問題がないかと言えばそんなこともありません。シャープネス、彩度、コントラストなどを調整できることもあり、RAWデータと比べると撮影者の意志が反映されることは知っておくべきです。スマホと比べるレベルではないと思ってますが。

【手頃なアダプタが見つからず…】

これまでの経験で私がスマホを使わない最大の理由は手頃なアダプタがないことです。最初に見たのはビクセン社の製品でなかなか良さそうでしたが1万円という値段に怯みました(現在は1万2千円)。その後にもっと安いものをいくつか購入しましたが固定能力が足りません。初心者用の双眼につけるとお辞儀してしまい接眼レンズに対しての角度がえられませんでした。ただし三眼鏡筒の撮影光路に置けば解決するものはありました。

【具体例もあり】

ちなみに「YS100LED+ビクセンアダプタ+IpadTouch+自作アプリ」でビックリするほどの記録をしている方もいます。ここまで写せると話が変わってきます。

【高級アダプタ・これは「いいね」!?】

マイクロネット社からはスペシャルなアダプタも売られていて私が見たものは固定も安定していました。
このキット何が凄いって専用アプリがあってスケールが入りスマホのズームに連動します。テキストも挿入可能。スマホで撮ればそのままネットにアップできるというのが「いいね」です。
さらに凄いのはお値段でアダプタだけで10万円します。中古の一眼レフとアダプタ買ってもたっぷりお釣りがくるほど。私のようなものには手が出せません。
ちなみにレンズは顕微鏡(または対物レンズ)とは関係なくこの会社が開発したものに限られます。

【アプリ選択】

スマホに標準装備のアプリでは不十分なことがあります。大きくは2つで1つはホワイトバランスです。明視野であれば基本背景は白、これが設定できるものがいいですね。
もう1つは明るさ調整です。顕微鏡では明視野=白バック、暗視野=黒バックという極端な背景に引っ張られがち。これを調整できるものが便利です。
私はiPhoneにmScopePalというアプリをインストールしていますが最近は更新されていません。よりよいアプリがあれば更新してもいいのですが…。

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