撮影スタイル|顕微鏡・ミクロ撮影について

2015.7.31改
顕微鏡によるミクロ撮影のポイントをご紹介します。

【顕微鏡のいろいろ1:正立顕微鏡&倒立顕微鏡】

顕微鏡はいくつかの分け方がありますが、その1つが正立顕微鏡と倒立顕微鏡です。初期の顕微鏡は対象の上からレンズを向けて観察していましたがこれは正立顕微鏡と呼ばれます。
これに対して倒立顕微鏡はレンズが下から対象を捉えます。例えばシャーレに入った培養細胞などを観察する時、蓋がじゃまして上からレンズが近づけられなくても下からならOKという訳です。ただし、コンデンサーが近づけられないこと、光路を曲げなければならないことから単純な比較では画質が落ちることになります。

【顕微鏡のいろいろ2:生物顕微鏡&金属顕微鏡】

生物のからだの大半は水。顕微鏡サイズまで拡大するとほとんどの生物が光を通します。したがって光を当てるときもレンズの反対側から当てることになるため「透過型顕微鏡」または「生物顕微鏡」という呼び方をします。
これに対して金属表面を見る時には当然光は透過しません。レンズ側から(斜めに)光を当てて観察するため「落射(反射)型顕微鏡」または「金属顕微鏡」という呼び方をします。

【顕微鏡のいろいろ3:各種光学系】

顕微鏡の発達とともに単に光を当てるだけでなく(そうは言ってもいろいろあるのですが)、光の特徴を生かした観察方法が考え出されました。「位相差顕微鏡」「偏光顕微鏡」「蛍光顕微鏡」「微分干渉顕微鏡」「レーザー顕微鏡」などです。
(ここでは詳細は省略します)

【現状の撮影システム:Axioplanをベースに】

グレンデルのメイン顕微鏡はCarl Zeiss社の万能型正立顕微鏡・Axioplanです。
生物用としては明視野、暗視野、位相差、偏光観察が可能です。蛍光観察にも対応すべく準備をはじめたところです。
金属顕微鏡として使うときは付属ライトの他に外部ライトを利用することもあります。サイズによっては微分干渉も可能です。
この顕微鏡の自慢の1つはオプトバールモジュールです。通常顕微鏡のレンズは5倍、10倍、20倍…というように拡大率を一段上げると2倍以上の差ができますが、このパーツによってその間を3段階に調整できるのです。
→Axioplanについて詳しくはこちらをご覧ください。

【倒立顕微鏡もありますが…】

倒立顕微鏡の主な対象は細胞や細菌です。かつての仕事の中心が細胞の顕微鏡微速度撮影だったこともあり、技術的なノウハウや専用機材もある程度は所有していますが、培養設備までは用意できません。
グレンデルに撮影を依頼される方は培養設備を含めてそれなりの顕微鏡もお持のはず。カメラやアダプタ、微速度装置を持ち込んでの撮影の技術提供のみの可能性大。(実際、カビの分生子が伸びるところの撮影ではカメラ、アダプタ、微速度タイマーを抱えて某研究所におじゃましました。)
ということで倒立顕微鏡は押し入れの中で永い眠りについています。

→さらに詳しことは直接メールでお問い合わせください。