調布・田んぼの学校|田んぼと単位

タイトル&キャッチ(2016.11.24)

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調布・田んぼの学校の話しをしていると「田んぼの広さは?」「お米はどれくらい採れるのですか?」とよく聞かれます。調布・田んぼの学校は「三畝(せ)の広さで約110キロが収穫できます」と答えていますが、量はともかく広さは感覚的につかみにくいことが多々あるかと思われます。
以下は厳密な調査をした上で書いたものではありませんが、ネットなどから集めた資料から簡単にまとめてみました。

【米の量:体積と重さ】

一般家庭では米は「キログラム」単位で購入します。
そして釜の大きさや炊いて食べるときの量は「合(一合≒180ml)」という体積が基本になります。
米の種類などにより多少の違いはありますが、調理のページなどでは「米一合≒150~160グラム」としているようです。これを炊き上げると水を吸っておよそ2倍の重量になります。

時代劇を見ていると「加賀百万石」のように「石(こく)」という単位が出てきます。これは体積の単位で
1石(こく)=10斗(と)=100升(しょう)=1,000合(ごう) となります。
また馬が俵を運んでいる様子も見られます。「俵(ひょう)」というのはこの俵の体積を表す単位です。時代や地域などによって2斗から5斗とまちまちだったものが、明治時代に入って各県ほぼ共通する内容の「○○県米穀検査規則」から、一俵=4斗≒60キロとなったそうです。
現在の米穀取引の実務における1俵は60キロと決められて、量の単位から重さの単位に変わっています。

【田んぼの面積】

米の量に対して田んぼの面積というのはちょっと厄介です。農家の方などは尺貫法の方が感覚的につかみやすいためか、また五反田、八反田など地名に反映されているなど、日常生活でも「反(たん)」という単位に触れる機会が多々あります。
とはいえ一般的にはメートル法で示された方がどれくらいの広さなのか分かりやすいでしょう。

尺貫法の単位をメートル法に換算すると以下のようになります。
・歩(ぶ)=坪(つぼ):3.3㎡ 畳で二畳分
・畝(せ)=30歩:1a (10mx10m、100㎡)
・反(たん)=10畝:10a(1000㎡)
・町(ちょう)=10反:1ha=100m×100m

三畝から300㎡÷25m=12mと計算できるので、この田んぼは一般的な小学校の25メートルプールよりやや狭いくらいと言えば分かりやすいかもしれません。
「反」はもともと一人が一年間に食べる米・一石(こく)≒150キロを作れる面積として決められたようです。
調布・田んぼの学校での収穫量は三畝で約110キロで一反にすると約370キロ。当時と比べると技術の進歩で単位面積から穫れる米の量が増えたのでしょう。米以外の穀類も食べる現代では一反分の米を食べる人はほとんどいないはずです。
また販売価格へと視点を変えると、人一人の生活費を稼ぎ出すにはどれだけの面積の田んぼが必要かを考えることができます。